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『レ・ミゼラブル』にエポニーヌ役で出演していた坂本真綾さん。彼女の千秋楽公演では、演技もカーテンコールのあいさつも、心の奥をぎゅっとつかまれるような思いがしました。わたしがエポニーヌに希望と強さを感じるようになったのは、なにをかくそう、坂本さんの演技がきっかけなのです。
彼女の公式サイトを見つけてなにげなく読んでいたら、「千秋楽」と題するエッセイがありました。「(カーテンコールで)本当はこんなことが言いたかったのです」ということが丁寧につづられています。 レミゼのプログラムにある一言メッセージでもそうなのですが、大切なことを簡潔に表現できる人だなと思います。シンプルな文章の中に、ものごとの核心をとらえた鋭い観察眼が光ります。1999年から不定期に掲載されているこのエッセイ、思わずバックナンバーをほとんど読んでしまったのですが、歳を重ねるに従って、強く繊細な感性に磨きがかかっていくのが分かります。 特に最近のものは「素人の書くレベルではないな、これは」と思ったのですが、なるほどその通り。エッセイ集も出していたんですね。女優、声優、歌手と広いジャンルで活躍する坂本さんですが、文章の才能にも長けていたとは。書くことは楽ではないかもしれませんが、ぜひ続けていってほしいものです。 ■
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by redandblackextra
| 2006-04-30 01:20
| 舞台にまつわる話
長期の休みで出掛けるときは、必ず「課題図書」をかばんに入れます。「まとまった時間で読んじゃおう」と決めて、2冊くらい持っていくかな。
今年の連休はどうしよう…。 ◎義務感で読む 手嶋龍一『ウルトラ・ダラー』(新潮社) 9.11事件をワシントンから冷静に伝え続けたNHKの手嶋支局長が、フリーになって著した小説。偽ドル紙幣疑惑という硬派なテーマにも期待して発売直後に買い求めたのですが、実はまだ20ページくらいしか読んでいません。たいへんおこがましいことを承知で述べれば、手嶋氏の文章、小説のレベルに達しているんだろうか…。冒頭、オークションのシーンからして読むのが辛い。京都という土地の匂いがしてこない。こんなこと思ってるの私だけでしょうか。アマゾンにはいいレビューばかり載っています。手嶋氏原案のまま、もっと筆の立つ人に書いてもらったほうがよかったのではという気もするのですが。でも読みます。感想書きます。 ◎美しい日本と日本語を求めて 谷崎潤一郎『陰影礼賛』(中公文庫) 学生時代、この本の英語版を読めという課題があったのですが、面倒ですっぽかしてしまいました。でも英語のタイトルだけは印象に残っています。「In the praise of shadows」。レミゼの舞台で光と影の対照にはっとさせられるたび、この言葉が浮かんできます。 夏目漱石『草枕』(岩波文庫) きれいな日本語が使えないだけならまだしも、どれがきちんとした言葉でどれがそうでないのかという区別すらできない人が増えている気がします。無作法な言葉を相手に投げつけて、何も感じないなんて許されていいのか。ちょっと熱くなってしまいましたが、こんな目に遭うことが続くと、無性に美しい日本語に触れたくなります。それで知人から勧められたのが『草枕』。初めて読みます。 余力があれば、現代作家の上質な恋愛小説なんか読んでみたいな。きれいな文章で心しみじみするような作品、ないかしら。 ■
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by redandblackextra
| 2006-04-29 01:07
| 本の話
おとといまでレミゼで泣いてたのですが、昨日、映画版の『プロデューサーズ』で気持ちが明るくなったので、そろそろ社会派の作品を観ても大丈夫かなと判断して今日は映画『ホテル・ルワンダ』へ。もともと、レミゼが終わったら観に行こうと決めていたものです。
あらすじなどは、リンク先の公式HPを見ていただくとして…。 1994年に起きたアフリカ・ルワンダでの大量虐殺。憎しみが憎しみを呼ぶ民族紛争の中で、自分が支配人を務める高級ホテルに人々をかくまい、仕事で培った機転と行動力を駆使して、たくさんの命を救った男がいました。それが主人公。なんと実話なのだそうです。 100万人もが殺された内戦がテーマですが、その手の映画にありがちな「説教くささ」は感じません。撃たれ倒れている人々は出てきますが、血みどろの映像で恐怖を煽り立てようとする意図もないようです。 この映画が焦点を当てているのは、そうした恐怖というよりむしろ、主人公のポールが見せた勇気なのではないかと思います。一歩ホテルの外に出れば、武闘派の民兵に殺されかねない四面楚歌の状態。そんな中、知恵のある彼はホテルに出入りする国連関係者、民兵の指導者、ヨーロッパにいる自社のオーナーなどに対し、たくみに脱出交渉を重ねていきます。 ただし主人公は、完璧なヒーローとして描かれているのではありません。虐殺現場を目にした恐怖や、自分たちを救ってくれない欧米諸国への憤り、家族への想いなども素直に表現されています。 目の前の紛争に介入できない国連平和維持軍や、戦場ジャーナリズムの限界などは、日本で普通にニュースを見ているだけではなかなか想像のつかない一面でしょう。しかし、そうした組織に縛られながらも、信念を強く持ってホテルにいる避難民のために奮闘した欧米人もいました。これまた、実在の人物をモデルにしているのだそうです。 ホテルの客でも欧米人だけが先に出国を許され、取り残されるルワンダ人たち。身を引き裂かれる思いで別れ別れになる家族。ミュージカル『ミス・サイゴン』でアメリカ兵のクリスとベトナム人少女のキムがはぐれてしまうシーンが、脳裏をよぎりました。今度『サイゴン』観るときは、見方が変わってくるかもしれないな…。テレビで毎日流れる国際ニュースも、これからは少し違った感覚で受け止めるような気がします。 「戦争反対」とか「平和主義」とかいうスローガンで訴えるのではなく、「助けを求める人を救いたい」というごく自然な気持ちを呼び起こす映画でした。ルワンダのことに限らず、感じることがあるならば、とにかく何か自分でできることをしよう。募金でも、書くことでもいい。見てみぬふりで終わる人間には、なりたくありません。 ■
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by redandblackextra
| 2006-04-28 00:00
| そのほか
つい昨日まで、「♪ 言葉にならない痛みと悲しみ…」なんてしんみりしながら通っていた銀座かいわいですが、今夜は「♪ I wannna be a producer♪」とうきうき気分で歩いてました。映画版『プロデューサーズ』を観てきたのです。
レミゼが終わったあとの心のリハビリとして、気持ちよく笑える映画を選んだのですが、大正解。去年、一度舞台版を観たことがあるんだけど、映画版でも歌の楽しさ、ダンスの見事さ、笑いの巧みさは健在でした。タップダンスなんか、むしろこっちのほうが目を見張ったかもしれません。 マックスとレオは、ベテランのオリジナルキャストが演じているだけに、二人の友情を感じさせるシーンに一層深みがありました。もちろん最初の出会いのところ、絶妙などたばた騒ぎで客をわかせるツカミもばっちりです。当たり前なんだけど、歌はとってもうまいし…。気になったのは、ウーラ役のユマ・サーマンがときどき口パクに見えちゃったところかな。 帝劇でも『プロデューサーズ』見たいなあ。「春の日のヒットラー」の描き方が課題かもしれないけど。日本の観客に向けて、ナチスをブラックジョークに仕上げるには、欧米とは違う難しさがあるだろうから。去年の日本版公演でもそこは今ひとつ消化不良に感じたところです。ニューヨークならではの人種問題を、風刺にして笑い飛ばしている部分もそう。表面的にはキャストの滑稽さで笑わせて、そこに込められた毒は、分かる人には分かる…という感じに演出できたらいいのかなあ。 映画版ばかり褒めているようですが、ロジャーとカルメンに関しては、去年の日本人キャストも互角に渡り合えると思いました。藤木孝さんと岡幸二郎さん。また日本版を上演することがあったとしても、この二人には必ず登板してほしいですわ。 そうそう、ミュージカルとはいえ映画だから、歌が終わったあとに拍手できないのがもどかしかった。でも同じこと思ってたお客さんがほかにもいたのかもしれません。なんと最後の最後に、客席から控えめに拍手が起きました。便乗して私も少し拍手。あ、エンドロールになってもすぐに席を立とうとしちゃダメです。…ミュージカル版観た人なら、このあと何があるか分かるよね? ■
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by redandblackextra
| 2006-04-26 23:58
| そのほか
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