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> 『氷壁』 心の中にある山…
この間、久しぶりに『氷壁』(NHK土曜ドラマ)を観ることができました。
世界最高峰の厳しい自然の映像と、新トートの武田真治さんというふたつのお目当てを楽しみにしていたのですが、実のところ、最近の回にはちょっと物足りなさも感じていました。主人公が山を降りて、都会での裁判と恋愛の話が中心になったことが、なんだか期待はずれだったのです。

番組HPで視聴者の感想コーナーを見ると、「山を降りてからの話も面白い」という書き込みも結構あったりします。「そうかなあ…?」といぶかしく思っていたのですが、前回の放送を観たら、「なるほど、面白くなってきたかも」と感じました。

いつも山のことばかり考えているクライマー。都会で人の波にもまれるより、一人で山の中にいるほうがはるかに似合う――そんな男が、山に消えた友人の死の真相を知るために東京で裁判に立ち向かい、あろうことか係争相手である大会社の社長夫人と恋に落ちます。主人公は社会の好奇の目にさらされ、当然いろんな障害にぶつかるのですが、そのたびに「嘘をつくのはいやだ(というより、嘘がつけない性格)」と言って、厳しさををいとわず(というより、要領よく立ち回ることができない性質)、ただひたすら、自分の気持ちに正直な道を選んでいくのです。

来週の予告によると、主人公と社長夫人が、なんと駆け落ち(?)しちゃうみたいです… こう筋書きだけみると、確かに昼のメロドラマみたいね。

ただ、見ていて気がついたlことがあります。主人公の愚直な心の中には、何人をも寄せ付けない「山」があるんじゃないだろうか。その峰の周りには嵐が吹きすさび、簡単にたどりつくことはできないけど、自分の足で立てば何者からも自由になれる。そんな厳かな聖域を心に持っているから、主人公は世間を敵に回すのが怖くないのかもしれない…。

こんな風に想像をめぐらせてみると、この山岳ドラマの半分がなぜ都会を舞台としているのか、自分なりに意味が分かったような気がします。

社長の息子役・武田真治さんの出番も、だんだん増えてきました。彼の心の山がどんなものかはまだ伺いしれませんが、次回の最終回では何か意外な面を見せてくれるでしょうか。
by redandblackextra | 2006-02-21 00:46 | そのほか

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
by redandblackextra
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