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カテゴリ:舞台にまつわる話( 123 )
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ ツアーファイナル』
うおー、前回ヘドウィグ観たときから2年近くも経ってるんだ。やっと会えた山本ヘドウィグ、今日が千秋楽にして初見。

当初の宣伝ビジュアルを見る限り「妖精のようなヘドちゃんになるのかな」と予想していたのですが、いやー、まったく違う方向へ裏切ってくれたね。これだもの、これ!(←flash画像が終わったあとに出てくる舞台写真を見てね) コテコテのドラァグクィーンじゃん。でもぶったまげたのは見た目より、そこから弾け出る「人間ヘドウィグ」の魂。10センチ以上ありそうなヒールを履き、しょっぱなの「tear me down」からステージせましと飛び跳ねる、飛び跳ねる! 「見て! アタシはここにいる! この歌を聴いて!」という心の叫びが、2階席まで飛んできたよ。痛いほどに。

山本さんの舞台は過去「RENT」「レミゼ(マリウスのみ)」と観てるけど、「もうマリウスにしばりつけておくわけには、いかないんだな」なんてことを考えてしまった。わたしは2003年の山本マリウスのぶっきらぼうな演技が結構好きで、また出てくれないかしらと未練がましく思っていたりもしたのだけど、今日のヘドウィグを観てそれはすっぱり断ち切った。ステージの中心となって思うぞんぶん気持ちをぶちまける姿のほうが見ごたえある。マリウスだと、この人の熱さはあり余ってしまうんじゃないかな(アンジョルラスなら観たいかも…)。

「Wicked Little Town(トミーノーシスver.)」で派手なかつらを外して登場した彼は、額にぺったり張り付いた銀平さんヘアーに、濃い青のアイメイクがうっすら残り、上半身は裸という、変な姿。でも飾りを捨ててまっさらな気持ちを客席にさらけ出すヘドウィグから、目が離せなかった。続く「Midnight Radio」ではうっかり泣きそうに。英語歌詞だったから内容を全部聞き取れたわけじゃないんだけど、山本ヘドが筋肉隆々の身体をふりしぼって歌い上げる「自分への愛」「人間への愛」が、びんびん響いてきた。「自分のカタワレ」を探し続けたヘドウィグが失意の末に行き着いたのは、自分の過去も弱さもそのまま愛して受け入れるということ。そのうえで、だれかを愛することができるんだね。ほんとうに難しいことだけど。「From your heart to your brain Know that you're whole」 いい歌詞だ。「Lift up your hands!」でヘドウィグやイツァークと共にこぶしを挙げたかったけど、つい恥ずかしくて遠慮しちゃったのが心残り。

アンコールは、山本ヘドが「盛り上がる曲で!」と声をかけて「Angry Inch」。いやー、飲み込まれた。あれは本番の3割増しくらいのシャウトだったのでは。こんなパワーいっぱいの歌、今後ほかに聴く機会があるだろうか? さらに「みなさん、時間いいんですか!?  じゃあこんなに大きい会場で歌うのもあまりないので… 僕がこの舞台のテーマソングだと思っている『Origin of Love』を」。みんなをひとつに包み込む歌声。汗のしずく一つひとつにヘドウィグの魂が乗り移って、2000人の客席に降り注いでいるかのようだった。

イツァーク役の中村さんは声の七変化が見事。でも最後のドレス姿はもっと派手にしてほしかったな…。「クロアチアでナンバーワン」(だっけ?)といわれたドラァグクイーンにしては、地味だわよ。ヘドウィグとともに心のしばりから解放されて、よみがえった喜びがもっとほしかった。

ヘドちゃんの長い語りのシーンでは一瞬眠気に襲われたりもしましたが、全体的には満足。Origin of loveを口ずさみながら帰りました。こんど日本でヘドウィグが見られるのはいつになるだろう? きっとまた行くぞ。
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by redandblackextra | 2007-04-09 01:43 | 舞台にまつわる話
神奈川フィル 「ミュージカル GREATEST HITS 2007」
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年が明けて初めての舞台鑑賞でございます。エグゼリーノ岡さんと鈴木ほのかさんが、オーケストラをバックにミュージカルの有名な曲を歌うという企画です。といっても、オケ演奏だけ(歌なし)の曲もあったので、実際に歌ったのは全10曲中6曲でした。

いいのもいまいちなのもありましたが、ラストに「オペラ座の怪人」から2曲もってこられて、やられたね。岡さんの「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」は、この世のものとは思えない力があるというか。闇の中から甘く妖しくひたひたと誘惑する歌声に、聴く者の心はいつのまにかからめとられてしまいます。なんて罪深い。マイケル・クロフォードが歌っているロンドン版の「オペラ座」CDを聴きながら今これを書いているのですが、わたしは岡さんの声のほうが好み。世界で通用する「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」だと思うわ。ひいき目かしら…。

ほんとのところは、レミゼの歌を目当てに出かけたんだけど、今日ばかりはオペラ座に持っていかれてしまいました。「明日、海劇場にオペラ座観に行こう!」と思わずにはいられなかったほどです(無理なんだけどね)。

==============================
<曲目>
前半
●1 ザッツエンタテイメント(バンド・ワゴン)…演奏のみ
●2 マリア、トゥナイト(ウエストサイドストーリー)…岡トニー、鈴木マリア
  去年のコンサートでも歌ってた。うっとり陶酔系の歌に、岡さんの甘く艶のある声はぴったり。
●3 76トロンボーン (ザ・ミュージックマン)…演奏のみ
  タナボタで今井さんが歌ったので覚えてました。
●4 メモリー(キャッツ)…鈴木グリザベラ 
  目頭熱くなっちゃった。鈴木ほのかさんの声って、たとえば新妻嬢のようにパンチがあったり、すこーんと抜けるように力強かったりするわけじゃないんだけど、心にしっとりしみいってくる。歌そのものというより、そこにこめられた芝居心に気持ちが揺さぶられるのです。
●5 One、Hope I get it、 At the ballet (コーラスライン)…演奏のみ
  オケだけでも確かにいい曲だけど、本音を言えば、歌がなくてつまんなかったよ。特に「One」は、夢に向かって頑張る力がみなぎってくるような歌詞だけに、ぜひ聴かせてほしかった。タナボタでは泣きそうになったもんなあ。
●6 サウンドオブミュージックより
  サウンドオブミュージック、ひとりぼっちの羊飼い(以上演奏のみ)、私のお気に入り(鈴木マリア)、 もうすぐ17歳(演奏のみ)、マリア(演奏のみ)、すべての山に登れ(岡修道院長←だっけ?)

後半
●7 Everything coming up Roses (ジプシー)…演奏のみ
  これも2005年のタナボタで岡さん歌いましたね。あのときのすてきな衣装(ここの一番下、左端の写真だと思う)思い出しました。「あなたはきっと成功する。ママにはそれがわかるわ」というような歌詞だった記憶が。
●8 I have dreamed (王様と私)…岡さんと鈴木さん ←役の名前分からず
●9 スターズ、夢破れて (レ・ミゼラブル)…いわずとしれた岡ジャベと鈴木ファンテ
  岡さんのスターズ、マイクのせいで声が反響しすぎ。帝劇B席で聴いたほうがよっぽどクリアです。残念。でもパリのスラム街のセットを思い浮かべながら聴いてみたら、レミゼ恋しくなってきちゃった。鈴木ファンテは力みすぎず、でも何か悟りきったような芯の強さがある。役を経験してるからこその深みのある歌でした。
●10 Overture, The music of the night, All I ask of you (オペラ座の怪人)…岡ファントム&ラウル、鈴木クリスティーヌ 
  レミゼはそうでもないのですが、オペラ座は本物のオーケストラで聴くと曲のドラマ性が断然際立ってきて、ぞくぞくします。オケにオルガン入ってたけど、ホール内のパイプオルガン使ってくれたらもっと迫力出ただろうに。「All I ask of you」は四季版の歌詞とは違ってたけど、二人のきずなは十分伝わってきました。

●アンコール 42nd Street (42nd Street)…岡さんと鈴木さん ←役の名前分からず
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そういえば、公式ページの案内では「ミス・サイゴン」も演奏するようなこと書いてあったのに、実際にはありませんでした。「世界が終わる夜のように」とか期待してたんだけどな。

「神奈川フィル」といっても、会場はミューザ川崎なので、都内からでもらくらく行けました。品川からJRで10~15分くらいだもんね。川崎駅に直結したこのホール、きれいで好きです。昔、レミコンやったこともあるはず。
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by redandblackextra | 2007-01-08 01:52 | 舞台にまつわる話
ロンドンのレミゼのチケット、どのように買ったか
海外の公演チケット入手法、いろいろあると思いますが、2ヶ月ほど前に私が買ったときの方法を書いてみたいと思います。

※この方法がベストとは限らないので、参考までにとどめてください。

3年前に行ったときは、すべてTicketMaster(イギリスのチケットぴあみたいなサイト)で予約しました。支払いはクレジットカードのオンライン決済です。早い時期に予約したせいか、なかなか良い席を確保。確認メールを印刷して、観劇当日に劇場の切符売り場(Box Office)へ持って行き、チケットと引き換えてもらいました。

この方法はラクで確実だったので、今回もまずは同じようにTicketMasterで調べてみることに。しかし間際の予約だったからでしょうか、端の方の席ばかり出てくるのです。う~ん、はるばるロンドンまで行ってこの座席とは、納得いかん。ここから、チケット入手の四苦八苦が始まりました。

まず、レミゼの英語公式サイトへ飛び、チケットのページを確認。そこにはTicketMasterに加え、別のチケット会社2社へのリンクがあります。Delfont Mackintosh Thearers と See です。

いずれも予約の流れは、TicketMasterとほぼ同じです。ただし出てくる座席の傾向は、はっきり分かれました。それぞれのサイトで同じ観劇日、時間を入力して、どのへんの席が出てくるか試してみたところ、こんな傾向がありました。

(良い席がとれる)Delfont Mackintosh Thearers > (まあまあの席)See Ticket > (端の席が多い)TicketMaster 

ほかの観劇日で調べても、だいたい同じような結果です。
※違う場合もあるかもしれないので、ご注意。

こうなれば当然、良い席が出てきたDelfont Mackintosh Thearersで予約すべき。「じゃあ、このサイトから予約しよう!」と決めかけたのですが、そこでさらに問題が出てきてしまいました。

(続きは明日)
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by redandblackextra | 2006-12-13 02:32 | 舞台にまつわる話
『トーチソングトリロジー』 好きなシーン
トーチソングトリロジー、東京公演終わっちゃったね。千秋楽観に行ったわけじゃないんだけど、なんだか名残惜しくてさみしい気持ち。

ひとつ下の記事で書いた感想では、アーノルド(篠井英介さん)のことが中心になってるけど、実は一番好きなシーンは、橋本さとしさん演じるエドが最後に見せる表情なのです。

4年(かな?)結婚生活を続けたエドだけど、自分が一番望んでいたのは元恋人のアーノルドと過ごす時間だった。そう気づいた彼は、もう一度アーノルドに告白します。しかも、男性が好きであることを公にカミングアウトする勇気を持って。

その思いをアーノルドが受け止めてくれたときの、エドのうれしそうな顔ったら、なかったなー! 教師なんてお堅い仕事についてるくせに、子どもみたいに飛び跳ねながら、アーノルドに手話で「愛してる」って投げかけてる。この手話は、かつて二人が付き合っていたころ、アーノルドが教えてくれたもの。エドはそれを忘れることはなかったんだね。

このお芝居、結局2回観たんだけど、橋本さとしさんのエドに対する印象はずいぶん変わったな。エドが付き合う対象は、最初アーノルド→次にローレル(女の恋人、のちに妻)→再びアーノルドと移り変わるんだけど、最初の観劇ではそれが何となく身勝手な印象だった。でも2回目は違った。エドは確かにアーノルドほど一途ではないのかもしれない。だけど、その都度自分の正直な気持ちをぶつけて、心の傷を背負いながら生きてるんだよね。

昔振ったアーノルドのもとへ、再び自分から出向いた1幕のシーン。元恋人のつれない仕草の前にぎこちなく世間話をしていたエドは、突然ひざまずき「アーノルド、僕は君を以前より愛していると思う…!」と堰をきったように感情を吐き出す。そこには駆け引きや見栄なんかなかった。傷つくことを承知のうえで、後先にとらわれず、持ちうる限りの愛情を相手に示すエドが、なんだかうらやましかった。

アーノルドへの愛をあふれさせている橋本エドを見て、来年彼が演じるバルジャンが俄然楽しみになってきちゃった。きっとコゼットを慈しむ気持ちでいっぱいの、愛情深いパパが観られると思うな。
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by redandblackextra | 2006-12-08 02:28 | 舞台にまつわる話
『トーチソングトリロジー』 もう一度、だれかと深く関わりたいと思う
概要は こちら から  あらすじ・キャストなどは こちら から

公演案内を見たときから「きっとこの舞台、好きになる」と思っていたけど、ああ、やっぱり良かったわ。人を好きになるうれしさ、失う痛み、傷を癒す優しさ。真剣に誰かを想うがゆえにふりかかる悲しみと喜びを、トーチソング(「感傷的な失恋の歌」という意味だそう)の調べとともに、心の深いところから思い起こさせてくれる。

I love you, but not enough.
愛してる、でも、十分じゃ…ない。

劇中で何度も出てくるせりふだ。主人公のアーノルド(篠井英介さん)は、「誰かに心から愛されたい」といつも一生懸命。なのに、交際して数ヵ月の恋人エド(橋本さとしさん)に捨てられてしまう。その後、自分を求めてくれる少年アランに出会い、幸福な日々を得たけれど、それも永遠ではなかった。ゲイという生き方を認めない母親とも分かり合えない。

だけど彼は一人ぼっちではなかった。物語の終盤、失意の底から抜け出せないアーノルドにそっと寄り添ったのは、彼が養子として迎えた少年デイヴィッドと、かつての恋人エド。二人とも、生きていくうえでアーノルドの存在が必要だと言って、離れようとしない。彼らの強い絆は、まるで家族そのものにみえた。

3人の新しい関係の芽生えを感じさせながら、静かに舞台の幕は下りる。常にだれかからの愛に飢えていたアーノルドは、大切な人を失う悲しみをくぐるうちに、いつしかだれかに愛を与える存在に成長していたのかもしれない。

忘れたとはいっても、別れの傷がうずくことはある。始まりの予感があっても、もう戻らない人への恋しさは消えない。正直に生きる自由だって、孤独と表裏一体だ。真剣に愛したからこそ残るつらい記憶を抱きしめながら、それでもやっぱり、人とのつながりを求めてやまないアーノルド。ひとり黙ってトーチソングに身をゆだねている姿に、なぜだかじんわり涙がわいた。

東京公演は12/7(木)まで。そのあと全国公演。レミゼと同じくらい、たくさんの人に勧めたい舞台だ。特に、人との関係で傷を抱えている大人に。他人に対して必要以上に警戒心を働かせてしまうわたしだけど、観終わったあと、「もう一度、だれかと深く関わってみようか」という気持ちにさせられた。5年か10年してまた再演に出会ったら、どんな感想を持つだろうか。だれかと“十分な”関係を築いているだろうか。
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by redandblackextra | 2006-12-04 03:08 | 舞台にまつわる話
『オペラ座の怪人』 クリスティーヌの心があふれる
先週観てから中4日で、また行っちゃった。クリスティーヌとメグが新しいキャストになっていたんですもの。ファントムとラウルは前回と同じです。

沼尾クリスティーヌ、舞台の主軸として、とても存在感がありました。「Think of me」も声色豊かに歌い上げていて、「カルロッタに取って代わる実力の持ち主」という設定を余裕でクリアしているので、安心して物語に入り込んでいくことができます。高い音を出しているのに、キンキンした硬さがなく、まろやかな声が心地いい。

魅力は歌だけじゃなく、彼女がみせるファントムへの想いにもありました。これくらい感情があふれているクリスが、わたしは好き。オペラ座の屋上でラウルに「♪ あたしは見たのよ…(中略)…ひきつっている恐ろしいあの顔」と恐怖を訴えたかと思ったら、突然うってかわって温かく「♪…あの声」と懐かしい人を慕う表情になります。恍惚として「♪ あの声はすべてを包み わたしの胸の中に」と歌うときの、「♪ …あの声は」という静かな始まりが素晴らしかった。大切な何かを慈しむ気持ちが表れていて、ファントムの声がどんなにクリスティーヌを虜にするのかみっちり伝わってきました。レミゼの山口バルジャンが「彼を帰して」で、「♪ 神よ…」と歌いだすときの優しいささやき声と、印象が似ていたような。

ラウルへの愛情は持ちつつも、音楽の天使に惹かれてしまう彼女。「墓場にて」のデュエットは完璧なまでに二人の世界が出来上がっていたので、思わず舞台に向かって「ラウル邪魔。来るな」と念を送りたくなりました。

そして特筆すべきは「Point of no return」。「♪ 恋の血が通い 恋の炎燃え わたしを焼きつくす」でファントムを惑わす色気といったらもう。「恋の『炎』燃え」と「炎」に力を入れていたのにも、複雑に燃え上がるクリスティーヌの愛を感じたな。初めて涙浮かんでしまったよ。

最後にファントムに指輪を返すときには、これまでの観劇では持ち得なかった感情がわいてきました。ファントムとクリスティーヌの間に通いあった気持ち…。それを逐一説明するのは野暮な気がするのでしないけど、今日観たこのシーンをきっかけに、わたしにとって『オペラ座の怪人』は娯楽の粋を超え、自分を成長させてくれた作品のひとつになりました。

初めて観た荒井メグ、「Angel of Music」は少女らしいかわいい声で上手かったな。ダンスも軽やか。「マスカレード」のミニスカート衣装がよくお似合いでした。

佐野ファントムは前回ほんの少し調子悪かった「♪ 心のおもむくままーー」もバッチリ。ほかのファントムもそうだけど、マントさばきや立ち姿勢がきりっとしていて本当にきれいです。「もしも」の話だけど、こういう仕草の美しさに人一倍のこだわりがある岡さんがファントムやったら、それはもう見事だろうな。

余談ですが、劇場で売っていたCD(今井ファントム・井料クリスティーヌ)のキャストに、「ヘアドレッサー・佐野正幸」という表記がありました。佐野ファントム、昔はこんな役名だったのね。でも、「ヘアドレッサー」てどの役? どの場面で何歌ってるの? 気になるなあ。
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by redandblackextra | 2006-09-27 01:31 | 舞台にまつわる話
『オペラ座の怪人』 男の対決でした
ここのところ心身に余裕がなかったので、好きな舞台を観てうっとりした気分を味わいたくて仕方がありませんでした。で、時間に恵まれた今日、久しぶりに海劇場へ。

午後に当日券を買ったのですが、その時点で案内されたのはS席で1階は10~14列、2階だと1列もありました。A席だと1階8列目壁際。なかなか悩み甲斐のある席が残っていました。あ、一部視界の遮られるR席はがらがら。1年半ほど前は、R席だろうがなんだろうが血眼になってチケットを探し求めていたというのに…。ちょっとさみしいわね。

「♪ わーたしーの宝物に 手を出すやつー!」おお、今日のファントムには「ちょいワル」な血の気の多さを感じるわ。これまで何回か観た高井ファントムは謎めいた大人の包容力が持ち味でしたが、それとはテイストが違います。確かキャスト表には「佐野正幸」とあったような…。なんと、以前ラウルで観た佐野さんが、ファントムになったのですね。ラウルのときは、元気いっぱいの好青年でした。

ファントムとして観ると、豊かでしっとりした声がかもし出す色気に加え、屈折した心情の表現にうならされました。「クリスティーヌを奪うぞ」という黒い執念で舞台が満たされている。ただベストな状態ではなかったのか、「♪ 心のおもむくままーー」の最後で声がざらついてしまったのが惜しかった(あともう1つくらいヒヤっとしたところあったな)。

それを受けるクリスティーヌ(西珠美さん)はといいますと…、「殺人するファントム怖い! キライ! ラウルがいい!」という気持ちがとりわけ強かったような。ファントムとデュエットする「The Phantom of the Opera」は安心して聴ける高音ではあったのですが、「歌がうまい」というより「きれいな声が出ている」という印象でした。ラウルと想いを確かめ合う「All I ask of you」のような台詞調の歌のほうが情感出ていたように思います。ラウルびいきに見えちゃったのはそのせいもあるかも。今日のクリスティーヌは、二人の間で揺れる微妙な心が感じられなかったので、全体的に印象が薄くなってしまいました。2幕の「墓場にて」は、なかなか聴かせてたけど。

そういうわけで、観劇の注目点はファントムとラウルという、「男の対決」に絞られていきました。佐野ファントムの力強さに負けないくらいの熱血ラウルだったから、余計に見ごたえありましたね。演じてたのは北澤裕輔さん。口元にちょびヒゲを生やしていた「ひげラウル」でした。最初はヒゲに抵抗あったのですが、ラウルを「頼りがいある兄ちゃん」だと思えば、まあこれもありかなと。クリスティーヌの手をがしがしと握って言い聞かせている様子は、ノーブルな貴族の仕草には遠いけど、「隣の兄ちゃん」だと思えば気にならないわ。墓場のシーンでは、火の玉(?)を投げるファントムに、本気で飛びかかっていこうとしていたように見えました。「プリマドンナ」でもひときわ声張り上げてたし、「彼女を守ってやらにゃ」という使命感メラメラでございました。

佐野さんと北澤さん、いい勝負をしていたと思いますが、舞台に濃厚な空気を残したのは、やはりファントムでした。最後、ラウルがクリスティーヌを奪い返して残されたファントムの、呆然とした姿。愛情と憎しみがねじれもつれた心をどうしたらいいのか分からないというように、さすらっています。そこへ、クリスティーヌが指輪を返しにくる…。このシーンは、ファントムの重い気持ちをひきずりながら観ていただけに、密度濃く感じました。「Point of no return」の官能的なやりとりよりも、こっちのほうが胸にずしんときたね。ファントムはクリスティーヌをめぐる争いには敗れたけれど、こうして彼女の心、そして観客の心にもおそらく永遠に住み着くことになるんだな…。

マダム・ジリーの戸田愛子さん、せりふも歌も見た目もはまってる! ベテランのカルロッタ、アンドレ、フィルマンらとともに、がっちり舞台を引き締めていました。でも、わたし見ちゃった。「マスカレード」でメグ・ジリーと楽しそうにはしゃいで踊ってるマダムの顔。厳格なバレエ教師が笑い顔を見せるのって、ここくらいじゃない? 今度からチェックポイントのひとつになりそう。
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by redandblackextra | 2006-09-22 02:09 | 舞台にまつわる話
『ファントム』 親子愛よりクリス愛?
(つい長く書いてしまった。 あらすじなどは こちら

今日は宝塚の日でしたの♪ (普段使わない♪なんて記号まで使っちゃうぞ)
花組の『ファントム』です。2年前に宙組の初演を観たときは、和央ようかさんのビジュアルの完璧さに、ぽーっと心持ってかれてしまいました。今回は春野寿美礼さんということで、スターらしい端正なたたずまいに期待。ヅカファンの知人からは「歌がうまい人なんだよ」と聞き、さらにわくわく度が増したのでした。

ファントムの存在感は、幕開けから際立ってましたね。芯があって強い声。歌詞も明瞭。そしてダンスのキレが抜群で美しいんだもん。真ん中で注目を集めるにふさわしい姿です。だけどほかの出演者をつぶすような圧迫感はなくて、あくまで作品の中に生きています。

続いて、歌姫クリスティーヌ(桜乃彩音さん)がパリの街角に登場。しかし… これ、「音楽には目がない」というオペラ座のパトロン・フィリップ伯爵が惚れるほどの声だろうか? か細くて、音はぶつ切り。純真なイメージは合っているんだけど、歌の技量が役の設定からかけ離れているので、まいりました。「こりゃ、近いうちに四季の『オペラ座』観に行って、口直ししなきゃ」と思ったほど(すいません…)。これ以降の場面でも、クリスティーヌの歌が始まるたびに現実に引き戻されてしまったのですが、2幕になると印象が変わりました。それについては後ほど。

今日、初めて涙が出てきたのは、フィリップ伯爵とクリスティーヌの親密な様子を目撃したファントムが歌いだしたときでした。クリスティーヌという心の支えを奪われた悲しみが夜のパリの空にぶちまけられ、虚しく消えていきます。春野さんのソロ歌とバックダンサーだけの簡素な場面なのに、ぎゅーっと胸がしめつけられました。…でも、実は歌そのものの記憶があいまい。「♪ ドレミファソ ファレファミ」と同じメロディーの歌だったっけ?

わたしの中でクリスティーヌが化けたのは2幕、ファントムの生い立ちを知ってからでした。それまでは「音楽の先生」を慕う頼りなげな少女だったのが、いつの間にか母親のような慈しみを彼に見せるようになるのです。語りかける口調や表情が、優しくファントムを包んでいる。その演技が、まったく作り物にみえませんでした。桜乃さん本人の個性なんだろうか。だから、ファントムに「仮面を取ってほしい」とせがむ様子も、わざとらしくありませんでした。「愛があなたのお母さんにそうさせたのなら、わたしも同じようにするでしょう」なんていうクサイせりふも、彼女が言えば本心から出た言葉に聞こえます。

こんなに献身的な愛を捧げられれば、かたくなだった怪人の心も溶けていくというもの。そしてとうとうゆっくり仮面を外します…。が、その顔を見たクリスティーヌは思いもかけず、恐れおののいて逃げ出してしまうのです。

裏切られてまた独りになったファントム。天と地を裂くような絶叫に、第2の涙が走りました。「ぎゃぁあああーーーーーーーっ」と、どちらかといえば美しくない声だったのですが、それだけ生々しい感情が血のように噴き出ていたというか。客席の空気までが、音を立てて軋んだような感じがしました。

さて宝塚の『ファントム』の見どころとしてはほかに、ファントムと父親との親子愛があります。クライマックスは銀橋で二人抱き合う場面(と、最後の場面か)。2年前はここで泣かされたな。もちろん今日も客席のあちこちからすすり泣きが聞こえました。でも今回、わたしは淡々と観てしまったんだよね。演技は丁寧だと思ったのに、なんでだろう。お父さん役の人が若々しすぎたのかな? 春野さんが「おとうさん」と呼びかけるのも、ちょっと違和感覚えました。

そういうわけで、親子愛というよりはクリスティーヌとの愛が色濃くみえたのが、わたしにとっての花組『ファントム』でございました。これを書いてる今も、二人が歌う「♪ You are Music」の甘い旋律が何度も頭に浮かんできます。

四季版(ALW版)とはファントムの描き方がずいぶん違うのね。四季だとクリスティーヌが「♪けがれは心の中に」と歌うことで分かるように、愛ゆえに暴走するファントムの心の暗部が目立っています。いっぽう宝塚版だと、母性を求める無垢な心が前面に出ていたような気がしました。宝塚ファントムの顔が、人を遠ざけるほどの傷を隠しながらも十二分に美しくみえるのは、彼の内面を象徴しているからなのかもしれません。
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by redandblackextra | 2006-09-17 01:18 | 舞台にまつわる話
タナボタ企画「Nothing But Musicals Gorgeous」(3)
いま、『RENT』のCDかけて、「I'll cover you」を4回リピートして聴いています。なんでこんなことしているのか… その理由は最後に。

3日間にわたって書いてきたタナボタの感想、最後は「総合部門」です。

◎総合部門

・One (タナボタオールキャストで)

改めて説明するまでもない、『コーラスライン』(←クリックすると音が鳴るかも)の超有名なナンバーです。このミュージカルの象徴ともいえる大きなミラーがステージに降りてくると、今回のタナボタに出てるキャストが全員そろって、黒とシルバーのまぶしい衣装を身につけて登場。舞台で観るのと同じかたちの帽子を手に、一列に並んでかっこよく脚を上げながら、元気に「One!」と歌ってくれました。あぁ観にきてよかったという気持ちがじわじわ湧き上がってきた、2幕ラストの曲でした。

若いダンサーたちが厳しいオーディションに挑む様子を描いた『コーラスライン』、劇団四季で何回か観たことがあります。ときどき退屈になるシーンもあるのですが、最後にはいつもこの「One」で、おいおい泣かされちゃうんだよね。負けることがあったとしても、やりたいことに挑戦して生きていきたい。そういう勇気が出てくる作品です。

タナボタバージョンでは、歌詞がオリジナルのものでした。四季だと「♪ ひとりひとり素晴らしい人」という詞にみられるように「Only one」の意味合いが強いのですが、忠の仁さんの詞では「♪ 目指すは Number one」とはっきり歌われていました。この歌詞、わたしはとてもいいと思ったな。容赦なく序列をつけられる厳しい現実を抱えながら、それでも夢を追うことを選ぶというすがすがしい覚悟の気持ちが、こちらまで伝わってきました。

そういう素晴らしい詞を、タナボタキャストがみんな、誇らしい笑顔で歌ってくれるんだもん…。舞台への愛、この場を分かち合っている人々への感謝、公演に対する充実感。客席も皆一緒に心を震わせていたように思います。ちょっと胸が熱くなって涙出そうになったよ。この感じ、レミゼの「ワンデイモア」を聴いたときとなんだか似てるね。

というわけで、この歌がわたしにとってタナボタ総合部門1位でした。

◎おまけ部門

わたしの夢。もしタナボタでお客からのリクエストを受け付けてくれるなら、これをやってほしいわ。

・『RENT』の、「I'll cover you」 (岡エンジェル、林コリンズで)

面白くもあったかいトークで舞台を和ませてくれた林アキラさん。岡さんとデュエットした友情の歌「’Til Him」が良かったので、今度は男同士の愛情の歌もお願いしちゃいましょう。レミゼの司教様・アンジョルラスとして出会って以来、長年の仲間である二人の、美しいハモリを聴いてみたいなあ。岡エンジェルのコスプレも見ごたえあると思うし! う〜、アンケートに書いてくればよかったなあ。
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by redandblackextra | 2006-09-06 01:59 | 舞台にまつわる話
タナボタ企画「Nothing But Musicals Gorgeous」(2)
昨日の続きです。「衣装部門」改め「コスプレ部門」に参りましょう。
衣装そのものだけじゃなく、そこにかける心意気と着こなしっぷりが大事だからね。

◎コスプレ部門

・アニー…女性陣、驚異の子ども返り
顔の大きさの5倍くらいありそうなでっかい赤毛のウイッグを乗せた、れなちゃんアニー。後ろに続く伊東さん、シルビアさん、女性ダンサーさんたちも同じヘアスタイルです。スモックみたいな子ども服着て、みんな見事に11歳の元気な女の子に若返っておりました。ちゃんと子どもの声で歌ってるんだよ。女優ってすごい! グレーの地味な孤児院服だったけど、インパクトは大でした。
そして忘れちゃいけないアニーの友達… ワンコの着ぐるみで、今井さんがご登場。でも、ちょっとシャイな感じでしたね。それが今井さんのいいところだけど、次回タナボタに来るときは、もっと自分を捨てていただきたいわ〜(うふ)。

・蜘蛛女のキス…岡さん、鳥の羽根を頭に乗せる
このミュージカルはよく知らないので、岡さんのコスプレが歌の内容にどのくらい関係あるのか分かりません。頭には、太陽光線のごとく放射状に伸びる羽根。ももからひざまで生のお御足をさらしつつ、ロングブーツで決め。その派手さと露出度で、「あー、タナボタ観に来たなあ」という気分にさせてくれる衣装でした。でも岡さんにしては(←ここ重要)、オーソドックスかもね。去年の「舞い降りたDIVAたち」で見せたドレス姿のほうが雰囲気あって、わたしは好きかも。

・スウィート・チャリティ…バルジャベ、花魁になる
このミュージカルも観たことありませんが、内容とコスプレはまず関係ないでしょう。けだるく妖しい花魁(で、いいのかな?)衣装だもん。絢爛豪華というか、派手な色の洪水に、くるくるめまいがしそうでした。この衣装の岡さんが一番輝いていたように見えたのは、気のせいでしょうか? あーあ、今井さんも髪を結い上げて、流し目で旦那衆を誘惑しているわ…。こんな姐御にもなれちゃうバルジャンとジャベール、世界広しといえども、そうはいないでしょう。 どうだ!

今回のプログラム、巻末近くに過去のタナボタ公演の舞台写真が2ページ載ってました。これを眺めるのも楽しいけど、できることなら、ちゃんとした写真集を出してほしいなと思います。大きい写真で、じっくり細部まで観察したいんですもの。これほどこだわった衣装なのに、舞台上の一瞬でしか観られないなんてもったいない。タナボタHPに舞台写真を集めたページはあるけど、PCの画面じゃ迫力が伝わらない。公演パンフレットとは別に、40ページくらいの写真集を出してくれないかしら。どう? タナボタ企画さん。

「コスプレ部門」はこれでおわり。「総合部門」については、また明日。
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by redandblackextra | 2006-09-05 02:26 | 舞台にまつわる話
   

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
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