>
レミゼ日記はこちら
■RED AND BLACK ■ レ・ミゼラブル2007日記

2005年7月4日までの日記はこちら
■RED AND BLACK extra■ 舞台と本の日記
> 最新のトラックバック
噫無情  黒岩涙香
from プロフェッショナルなアーチス..
土曜ドラマ・人生はフルコ..
from 日々雑用
トリッパ
from Kanon's Journe..
料理一筋も悪くない……土..
from Dolphin Kick 2..
#630 土曜ドラマ
from おおなかこなか
日本の「億万長者」は14..
from 失敗しない中小企業の新規事業..
劇団☆新感線「メタルマク..
from ヤマトタケルの夢―市川猿之助..
06/05/01 2回も..
from ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記
■〔映画雑談Vol.20..
from 太陽がくれた季節
米原万理さん 逝去
from 王様の耳はロバの耳
> 検索
> 『天保十二年のシェイクスピア』 こんな濃ゆい芝居は初めてだ!
更新が予告なく遅くなりました。すみません。
==================

♪ も~し~も~ シェイクスピアがいなか~ったら ♪

テーマソング(?)が頭を周って離れない。ミュージカルじゃないのにね。カーテンコールで豪華キャストみんながにこにこリラックスして歌っていたのが印象的だった。ずらりそろったスター級の役者を、いい意味で「ただの役者」として見せてくれる舞台だったと思う。天保の世に生きる民衆の清濁併せ呑んだ深い業を、内臓の奥を切り開くかのようにつかみ出して、演じてみせる。グロテスク、だけど人間くささが腹に沁みる。キャストの力量は、4時間にわたる上演をあっという間に感じさせた。

ごく簡単にあらましを紹介するなら、艶と欲望と策略がごった煮になった江戸風俗の中に、シェイクスピア作品のいろんなモチーフが散りばめられていると言ったらいいかな。とはいえ、シェイクスピアの知識がそれほどなくても楽しめるだろう。モチーフの一つである『ロミオとジュリエット』のあらすじくらいなら誰でも知っているだろうし、英語の授業でちらっと聞いたフレーズ「To be or not to be, that is the question」をもじったシーンも結構面白い。

でも一番インパクトを感じたのは、登場人物一人ひとりの「念」がとめどなく渦巻いていたこと。終わったとき、思わず「こんな芝居初めてだ…」とつぶやいてしまったけど、確かにこれほど濃ゆい感情がぶつかりあう様を、ぐいと見せ付けられる舞台にはお目にかかったことがない。

金欲、名誉欲、性欲、ねたみ、後悔、独占欲、色恋、裏切り、孤独、コンプレックス… まだまだあったな。観ている方も、自分の泥臭い内面をえぐられて舞台上にさらされているような錯覚に陥る。

中でも、憎しみや復讐といった、いわば「心の陰」の部分がとりわけ強く打ち出されていることに考えさせられた。思い起こしてみれば、自分の場合、憎しみなんて感情は久しく芽生えていないような気がする。かわりに心にあるのは、「あきらめ」かも…。

待てよ。そういえば、『天保十二年のシェイクスピア』に出てくる登場人物は誰も、何かを「あきらめ」ることがなかったんじゃないか? これこそ、最も引き付けられた点かもしれない。欲望を何が何でも成し遂げようと、彼らは皆、腹の底から強烈なエネルギーをしぼり出している。だけど観ていて陰鬱な気分になることはなかった。あっけにとられているうちに、ところどころ仕掛けられた笑いのツボにはめられることの繰り返しで、飽きることがない。チケットさえ手に入れば繰り返し観にいきたくなる、魅惑的な舞台だ。

登場人物たちが、それぞれの一大場面でモノをいわせていた、心の中のどす黒い力。果たして今の自分にもあるんだろうか? 

=========================
次の更新は19日深夜になります
[PR]
by redandblackextra | 2005-09-18 00:57 | 舞台にまつわる話

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
by redandblackextra
> ファン
> ブログジャンル
> 画像一覧