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> 『LOVE LETTERS』 西島千博×篠原ともえ
(あらすじ、公演の紹介は こちら
(感想ここから)
ひっそり楽しみにしていた公演。男女の役者二人が、それぞれに宛てた何十通もの手紙を読む朗読劇だ。もちろんひとりで行った。

今回のメリッサ役・篠原嬢の衣装にまず目を見張る。胸まであるロングのふわふわヘアに、たっぷりした黒いレイヤードのドレス。奔放な精神を愛する、芸術家の卵にぴったりだ。2幕では衣装もヘアも変えて登場。赤と黒が鮮やかなトップスに髪はアップで、ぐっと大人びた。この変化は、自分で洋服をデザインすることもあるという彼女ならではのこだわりなのだろう。

幼なじみのアンディ(西島さん)への手紙を朗読している篠原さんは、よく通る澄んだ声が素敵だった。でもさらに良かったのは、反対にアンディからの手紙を聞いているときの表情だ。彼が通う男子校の様子が延々としたためられた文面には、うんざりしながらも、ほっとしたような顔を浮かべている。大人になって別の女性と結婚し出世したアンディが幸福な家庭生活を語るときは、聞くのがつらいと言わんばかりに、台本から目をそらしている。本業がバレエダンサーである西島さんの朗読はややたどたどしかったが、それを受けとめる篠原さんの声に出さない演技が、二人の結びつきを物語っていたように見えた。

この作品は2回目だけど、とても不思議だ。男女の50年に及ぶ手紙のやりとりと、そこに描かれるすれちがいの人生というストーリーそのものに惹かれているつもりだったのだが、感情を刺激するのは、どうもそれとは違うようだ。今日は予想に反して、終わり間際まで涙は出なかった。なのに急にハンカチを握り締めたのは、孤独に陥った篠原メリッサが過去を振り返り、アンディと歩む人生がありえたかもしれないと想像して、こう読んだときだ。

「…時々思うのよ。もしもあなたと、もしもあなたと…」
 (正確ではないかもしれませんが、こんな台詞だった)

そう言って篠原さんが本当に声を詰まらせたとき、こちらも泣けた。作品自体に感動するのはこれまでにもあったけれど、役者が作品にどう向き合っているかが見えた瞬間というのも、また心を熱くするのだ。『LOVE LETTERS』ではおそらく、単に朗読がうまいだけじゃだめ。物語に感じた生々しい気持ちを、舞台に溶け込ませ、活かす力量が問われるのかもしれない。

アンディの最後の手紙を読む西島さんは、もう言葉が途切れ途切れ。きっとつらいよね、このメッセージを読むのって。それを優しく見守る篠原メリッサが「やっと本当のことを…」「大丈夫よ、アンディ」と声を掛ける様子は、いま思い出しても目の奥が熱くなる。ラストの照明効果、二人が築いた大切な関係を永遠に包み込んでいるようで、余計に涙が出て頭痛がしてくるほどだった。
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by redandblackextra | 2005-08-10 23:24 | 舞台にまつわる話

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
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