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> 『オペラ座の怪人』 男の対決でした
ここのところ心身に余裕がなかったので、好きな舞台を観てうっとりした気分を味わいたくて仕方がありませんでした。で、時間に恵まれた今日、久しぶりに海劇場へ。

午後に当日券を買ったのですが、その時点で案内されたのはS席で1階は10~14列、2階だと1列もありました。A席だと1階8列目壁際。なかなか悩み甲斐のある席が残っていました。あ、一部視界の遮られるR席はがらがら。1年半ほど前は、R席だろうがなんだろうが血眼になってチケットを探し求めていたというのに…。ちょっとさみしいわね。

「♪ わーたしーの宝物に 手を出すやつー!」おお、今日のファントムには「ちょいワル」な血の気の多さを感じるわ。これまで何回か観た高井ファントムは謎めいた大人の包容力が持ち味でしたが、それとはテイストが違います。確かキャスト表には「佐野正幸」とあったような…。なんと、以前ラウルで観た佐野さんが、ファントムになったのですね。ラウルのときは、元気いっぱいの好青年でした。

ファントムとして観ると、豊かでしっとりした声がかもし出す色気に加え、屈折した心情の表現にうならされました。「クリスティーヌを奪うぞ」という黒い執念で舞台が満たされている。ただベストな状態ではなかったのか、「♪ 心のおもむくままーー」の最後で声がざらついてしまったのが惜しかった(あともう1つくらいヒヤっとしたところあったな)。

それを受けるクリスティーヌ(西珠美さん)はといいますと…、「殺人するファントム怖い! キライ! ラウルがいい!」という気持ちがとりわけ強かったような。ファントムとデュエットする「The Phantom of the Opera」は安心して聴ける高音ではあったのですが、「歌がうまい」というより「きれいな声が出ている」という印象でした。ラウルと想いを確かめ合う「All I ask of you」のような台詞調の歌のほうが情感出ていたように思います。ラウルびいきに見えちゃったのはそのせいもあるかも。今日のクリスティーヌは、二人の間で揺れる微妙な心が感じられなかったので、全体的に印象が薄くなってしまいました。2幕の「墓場にて」は、なかなか聴かせてたけど。

そういうわけで、観劇の注目点はファントムとラウルという、「男の対決」に絞られていきました。佐野ファントムの力強さに負けないくらいの熱血ラウルだったから、余計に見ごたえありましたね。演じてたのは北澤裕輔さん。口元にちょびヒゲを生やしていた「ひげラウル」でした。最初はヒゲに抵抗あったのですが、ラウルを「頼りがいある兄ちゃん」だと思えば、まあこれもありかなと。クリスティーヌの手をがしがしと握って言い聞かせている様子は、ノーブルな貴族の仕草には遠いけど、「隣の兄ちゃん」だと思えば気にならないわ。墓場のシーンでは、火の玉(?)を投げるファントムに、本気で飛びかかっていこうとしていたように見えました。「プリマドンナ」でもひときわ声張り上げてたし、「彼女を守ってやらにゃ」という使命感メラメラでございました。

佐野さんと北澤さん、いい勝負をしていたと思いますが、舞台に濃厚な空気を残したのは、やはりファントムでした。最後、ラウルがクリスティーヌを奪い返して残されたファントムの、呆然とした姿。愛情と憎しみがねじれもつれた心をどうしたらいいのか分からないというように、さすらっています。そこへ、クリスティーヌが指輪を返しにくる…。このシーンは、ファントムの重い気持ちをひきずりながら観ていただけに、密度濃く感じました。「Point of no return」の官能的なやりとりよりも、こっちのほうが胸にずしんときたね。ファントムはクリスティーヌをめぐる争いには敗れたけれど、こうして彼女の心、そして観客の心にもおそらく永遠に住み着くことになるんだな…。

マダム・ジリーの戸田愛子さん、せりふも歌も見た目もはまってる! ベテランのカルロッタ、アンドレ、フィルマンらとともに、がっちり舞台を引き締めていました。でも、わたし見ちゃった。「マスカレード」でメグ・ジリーと楽しそうにはしゃいで踊ってるマダムの顔。厳格なバレエ教師が笑い顔を見せるのって、ここくらいじゃない? 今度からチェックポイントのひとつになりそう。
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by redandblackextra | 2006-09-22 02:09 | 舞台にまつわる話