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『人生はフルコース』(2) 「勉強していますか」が聞こえてくるような
先週書いた(1)は こちら
日本の西洋料理の礎を築いた帝国ホテルの元・総料理長、村上信夫氏をモデルにしたNHKドラマ『人生はフルコース』、今日が最終回でした。感動のエピソードがこってりてんこ盛りというよりは、軽めのソースでさらっと締めた印象。観終わって「もうちょっと味わいたいんだけど…」と物足りない気はしたのだけど、そうやって内容を振り返って余韻にひたるのも、いい感じ。 東京オリンピックの総料理長として難題を切り盛りしていたさなか、「自分はもうしばらく包丁をにぎっていない、肉を焼いていない」と気落ちしているシーンがありました。立場上、メニューの考案や材料調達といった管理業務に忙しくなってしまい、「これで自分は本当にコックといえるのか?」と悩んでしまったのです。 でも、わたしはこのつぶやきによって改めて気づかされたことがありました。村上ムッシュが組織の長として人望を集めたのは、そのあたたかい人柄だけでなく、日本トップのフランス料理シェフとして確かな技術の裏づけがあったからだと。 田舎の食堂からやってきたコックにステーキの焼き方を直に指導したり、汗だくで運動している外国人選手を見て塩分きつめの味付けにすることを思いつくなど(選手は汗をかいているからいつも塩分不足。だから普通の塩加減だとおいしいと思ってもらえない)、自分の心配とはうらはらに、彼は管理職となっても一料理人としての職人魂を燃やし続けています。そして日々技術に磨きをかけている。わたしは料理人ではないけれど、組織で生きるプロとして、あるべき姿を学ばせてもらいました。 今日の最終回放映にそなえて、ムッシュのこの著書をざっと読んだのですが、それによれば80歳になっても毎日1時間、料理の勉強を欠かしていなかったそうです。ドラマには出てきませんが、ムッシュの口ぐせが「勉強していますか」だったというのも有名な話。 ホテルの顧問になったムッシュを演じる高嶋政伸さんが、実物そっくりでびっくり! ふっくらした頬、厚みのあるまぶたがかかった丸い目、ダミ声… メイクも演技もとても凝っていて、これだけの放映で終わらせるのがもったいないくらいでした。 こちらは高嶋さん演じる村上氏(NHKのHPより) こちらは実際の村上氏(氏が住んでいた松戸市のHPより)
by redandblackextra
| 2006-07-23 00:59
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