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> 『黄昏にカウントコール』 夢を捨てない勇気とほろ苦さ
あらすじ・作品紹介は こちら から

『OUR HOUSE』にも出ていた小西のりゆきさんが、blogでこの舞台を評して書いていた。「大仰に言えば『不器用であっても人として生きることとは何たるか』を教わったような、そんな作品でした」。この言葉にくらくらっときたわたし、翌日さっそく劇場へ。

今回の主役・風間杜夫さんのお芝居を見るのは『LAST SHOW』『風間杜夫ひとり芝居三部作』に続いて3回目。偶然にも、役柄はすべて「うだつのあがらない中年男」だ。そんなおじさん、巷にあふれかえっている。だけど、地味な風体の下に隠した「一人の人間」としての気持ちの渦を、ここまでありありと描いて見せてくれる役者さんは、そういないだろう。

この作品には台本がなく、稽古しながらセリフや動きをつくっていく「口立(くちだ)て」という方法がとられているとのこと。そのわりには、本を朗読しているかのような長ーいセリフも多いので、テンポのいいお芝居とは言いがたい。

だけど風間さんが登場するや否や、なんとなくのんびりしていた舞台の空気が突然びしっと緊張したのには恐れ入った。長ゼリフも早口で鮮やかに言ってのける。技巧に走っているのではない。気持ちがセリフと完全に一体化しているとでもいおうか。

風間さん演じるダメおやじは、若いころに抱いた演劇への夢をひきずったまま、さびれたダンススタジオを経営している。先の見えない不安を、口のうまさでごまかしながら生きてきた。そんな彼の心情は、しゃべっている相手のことなどおかまいなしに、喜怒哀楽を激しく揺れ動く。おやじギャグあり、触れられたくない過去の話あり。そのスピードにあっけにとられながらも、いつしかそこに自分の気持ちを重ねて、うっすら涙してしまうのだ。恐るべし、風間マジック。

主人公は自分の不甲斐なさを十分認めた上で、こんなことを言ってのける。「この年になっても考えるんだよ。『大きくなったら何になろうかなあ』なんて!」。バカか…。泣かしてくれるなよ。

30代になってもなかなか芽が出ないダンサーたちに、言葉をかけるシーンが忘れられない。(「いつまでも居心地のいい場所にとどまるな。外へ出て行け」と促した後で)「ほかの人より、ちょっとスタートが遅かっただけだ。お前たちはまだ、何にだってなれるんだ。何にだって!」。常識的に考えると、無責任で無鉄砲な言い方このうえない。でも、いいのだ。「バカか」と言われるほど勇気がある人じゃないと、こんなこと口にできない。最強の励ましだ。

「夢を語る」だけなら、甘くきらきらした言葉で十分。だけど「夢を持ち続ける」には、苦い思いをしたり、希望の光が色あせてしまうことも受け入れなくてはならない。そのほろ苦さに時々顔をしかめながら、やっぱり夢を抱き続ける大人たち。大変だろうけど、かっこいい。自分もそんなふうになりたいね。

小此木麻里さん(元リトル・コゼット)の演技達者ぶりに注目。弱いセリフに込めた繊細な感情、後ろの席まで届いたよ。またストプレで観たいな。留守晃さん(元・アンジョルラス)の歌、「聞きほれちゃったわ~」と称える声が終演後あちこちから。ほんとうに、心に染み入る声だった。今夜は、彼が出ているレミゼ赤盤のCDを聴こう。そう思って帰宅したら、来年のレミゼキャストが発表されててびっくりというおまけつきでした。
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by redandblackextra | 2006-07-08 02:13 | 舞台にまつわる話

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
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