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> 映画版 『RENT』 今日1日を目いっぱい生きる
(あらすじなどは、映画版「RENT」公式サイトへ)

どうして映画館にCD売ってなかったんだろう? あったら絶対買って帰ったのに。今は家に唯一あるRENTの音、石井一孝さんが歌う「Seasons Of Love」(「ベスト・ミュージカル 4Knights」収録)を聴きながら書いてます。

「RENT」の舞台版は、はるか昔に観たことあるんだけど、ほとんど記憶に残っていません。誘われて付いていっただけだったからなあ。今日の映画でようやく全容が理解できました。楽曲はいくつか印象的なのを覚えていたので、「ああ、こういうシーンでこんな気持ちを歌ってたのか…!」ということも次第に見えてきました。そしたら知らないうちに、涙がどんどん出てきて…。

最初のほうは音楽に身を任せて結構楽しく見てたんだけどね。エンジェルの「Today 4 U」ではもっぱら、「日本人キャストなら誰にやってほしいかな」と想像をめぐらせてました。キャラクターとしては岡姐さんにお願いしたいけど、このダンスならやっぱり吉野エンジェルかしら…なんて勝手に当てはめたりしてね。

だけど気持ちがだんだん物語の中に入り込んでいって、いろんな歌に込められた感情が自分にも重なるように思えてきたら、ぼろぼろ泣けてきた。限られた生の中で夢を果たそうと歌う「One Song Glory」、HIVキャリアの人たちが心情を分かち合う「Life Support」、倒れたミミにロジャーが優しく聴かせる「Your Eyes」…。

最後の「Your Eyes」は、聴いてみればものすごくベタな内容。若者のごくありふれた愛情を歌っているのだけど、ロジャーとミミはそれぞれ自分を省みる時間を経て、改めて「この人を大切にしよう」とまじめに向き合っているんだよね。その真摯な姿勢が、平凡なラブソングを忘れられないナンバーに変えているように思えます。

「La Vie Boheme」のシーンは痛快だったなあ。自分の学生時代の仲間を思い出したわ。この映画と同じようにアーティスト目指してる友達もいたし、ゲイ・レズビアンの子もいた。彼らと一緒だと、のびのびいろんなことを話すことができた。あんな自由な空気、久しく吸ってない気がするな。

「No Day But Today」というフレーズが、いろんな場面で使われていることも発見でした。「未来なんてない、過去もない、あるのは今日という日だけ」というように訳されてたかな。心にきりきり迫ってきて、また涙がしぼりだされました。自分も先の見えない人生を抱えているけど、今日1日を目いっぱい生きることはできるんじゃないか。それくらいの力はまだ残ってるんじゃないか…。だから今日で人生が終わったって悔いはない。

心の中に再び火をよみがえらせてくれた作品。それがわたしにとっての「RENT」かもしれません。日本版の舞台、また観られる日は来るだろうか。いや、絶対お願い! 応援するから。
by redandblackextra | 2006-05-11 01:06 | 舞台にまつわる話

観劇と読書が好き。いや、ほかにもあるかな。当面の間は、ぼちぼちマイペースで更新します。
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