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> 『エリザベート』(12) 闘うルドルフ 
ひゃー。
パク・トンハさんのルドルフは、去年からこうだったかな? そうだとしたら、自分は去年、いったい何を観ていたのだろう? この週末の観劇で、わたしにとって『エリザベート』の主役はルドルフになってしまいました。

「闇が広がる」で、運命に抗いながらも、ひきずりこまれようとするときの必死な表情。特に相手が内野トートのときは、今にも切れそうに張りつめた糸が、二人の間に見えるかのようです。トートに近づくまいと足を踏ん張っている力が、パクさんの場合とりわけ強く感じられるからでしょうか。ルドルフの立たされている切羽詰まった状況が、どくどくと脈を打つように伝わってきて、落ち着いて観ることなどとてもできませんでした。

「僕はママの鏡だから」で、母親に懇願しながら、口元にかすかに浮かべる悲しい笑みも印象的。エリザベートに見放されたあと、彼はしばらくそのまま固まってしまいます。これ以上深くなりようがない絶望に陥っているというのに、その顔には、泣きながら母親に見せた笑顔のかけらが残ったまま…。これを観たとき、自分の心臓をぎゅっとわしづかみにされたような感触を覚えました。

ひ弱で親の愛情に飢えていただけではなく、曲がりなりにも自分の力で生きようと闘った跡が見えるルドルフ。その痛々しさに、うっすら涙が出そうになりました。

父である皇帝と激しく口論するとき、パクさんルドルフは大きな声ではっきりと主張を述べ、毅然とした印象を観客に残します。けれどその直後「HASS」で、味方だと思っていた民衆に否定されたことで力が抜け、よろよろとトートの力にすがりついてしまう…。 このギャップの大きさが、パクさんルドルフの魅力の一つかもしれません。

彼の意志の強さと弱さは、運命のらせんをたどっているかのように、入れ替わり立ち替わり現れ出てきます。独立運動のシーンで「ハンガリー国王なんてなれるか!」と言わんばかりに秘密新聞を投げつけたかと思えば、マイヤーリンクではトートの登場に「ひっ!」と声を挙げて、一瞬、死から逃れようともしていました。

「自分の手で運命と闘うことこそ、生きている証し」――パクさんのルドルフからは、そんな声が聞こえる気がします。
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by redandblackextra | 2005-09-19 23:59 | 舞台にまつわる話